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開催日時2010/01/18
WorkShop名成城ナ-サリィスクールWS
場 所東京都世田谷区成城
テーマ『音をきてみよう!〜ウェアラブル・メディア』
BOX&NEEDLE代表 大西景子さん
 私の仕事はワークショップという協同的に学んだり、楽しく過ごせるような活動の場を指筆という魅力的な道具を使ってデザインする事です。 この指筆の開発は、実際に様々な年代や所属の方を対象にワークショップをしながら、同時に指筆の使い勝手や使用など何度も改善が行なわれました。 自由に描くのは楽しいけれど、あるルールや制限があったり、他者と協同する事で 指筆はもっと楽しむ事ができるのです。
それでは次に先日幼稚園で行なわれたワークショップの様子をご紹介します。 この日は成城ナーサリースクールでの二回目の Pop Cornワークショップ。 テーマは『音をきてみよう!〜ウェアラブル・メディア』 アクティビティは2つ。

@音を形に描く ↓
A描いた紙を身につける 時間は1時間。

いろんな歳のこどもたちが混ざっていているので、アクティビティは前回よりもシンプルに考えてみました。 空間のしつらえは、20名のこどもたちが全員で囲めるようにロール紙の半紙を教室を斜めに横断させて敷き、他の子の描いてる絵も見えるようにしています。この日はテレビの撮影があるので緊張しちゃうかなと思っていたのでが、そんな心配を吹き飛ばす元気な挨拶!で始まりました。まずは、今日することと指筆の説明。Pop Corn(指筆)をつけるのは二回目のこどもたちもいるので、配るとすぐに好きな太さの筆を好きな指にはめていきます。 次に今日の気分の色(オレンジ、緑、青、黄色、赤)をパレットから選んでいきます。この時のルールは一人一色。 違う色を使いたい時はお友達と交換します。 みんなどんな気分で色を選んだのでしょう。 こどもたちに聞いてみたかったのですが、Pop Cornを手渡すと同時にみんな思い思いの色でもう描き始めています。 すぐに描きたくなっちゃう!これが他の筆にはない Pop Cornの一番の魅力ですね。始めは先生の手拍子に合わせて、リズムに合わせてトントンと点をたくさん描いて行きます。 色とりどりの雨がふってきたようにも見えました。どんどん早くなる手拍子に合わせてみんなもスピードアップ。次は、こども達が初めて聞くような音楽(ピアノ)を聞きながら、自由に描いてみます。 文字やキャラクターなど知ってるものではなく、音楽があふれるように抽象的な”なにか”がロール紙に広がってきます。 なんだか新しい譜面のよう!途中で絵から離れて、自分たちの大きなキャンバ スを遠くから見てみます。 そのままこどもたちは紙の周りを移動して、さっきとはちがう場所でお友達の絵に描き足したり、筆を交換して他の色でも描いていきます。次は曲を切り替えて、こどもたちがお遊戯で踊った曲を流して、 立って描いてみようとアナウンス。 姿勢を変える事で描き方や描くものも変 わってきます。知ってる曲ということもあり、全体の空気がうわっとテンションが上がるのが 目に見えてわかります。 描くスピードは一向に落ちる事がなく、紙に余白がなくなってきたので、ロール紙をもう1列ひいて、 次に前回は試せなかったいくつもの指筆を指にたくさん付けてみる事に。 それでも中には1本だけがいいという子も結構いましたので、5本指全部につける男の子が続出。 ついには足の指にはめて器用に片足でバランスをとりながら線をひいたり、しまいには前回と同様、やっぱり手や足の裏を塗り始めてスタンプが始まりました。最後は、出来上がったロール紙切って、スカートやワンピース、マフラーににしたりと思い思いの形に変えて身につけてくれました。 ここのナーサリースクールの先生たちは、こどもたちに負けずとってもチャレンジング!でいつも驚かせてくれます。前回の作品は、その後に活用いただいて布や毛糸など他の素材をくっつけてとても素敵に仕上げていただきました。指筆は他の道具やメディアと一緒に使う事でその可能性はどんどん広がってい くのです。 今後も指筆は単体の道具としてだけではなく、アクティビティやコンセプトと一緒に普及できれば思っています。 これからたくさんの方に知っていただき、どんなかけ算でひろがっていくのか これからとっても楽しみです。

BOX&NEEDLE代表 大西景子
指筆ワークショップ
 1月18日 成城ナーサリィスクールにて上田信行先生、大西景子さん(賛助 安斎勇樹さん、牧村真帆さん)による指筆ワークショップが行われました。 大西さんによる指筆の使い方説明の後、指に装着して使用する「指筆」を使ってホールに長く敷き詰められたロール紙に子どもたちがカラフルな墨汁を使って絵を描いていくワークショップです。 まず年長クラス、年中クラスの子どもたちが6人ずつのチームに分かれて、指に装着した指筆でなるべく長く線をリレーで描いていく競争です。早く描くほうがいいのか、ゆっくり筆を運ぶのがいいのか実験しながらの競争でした。こうして指筆の使い方に慣れたら、次は人拓をとります。まずは思い思いの形にロール紙に寝転んだり座ったりする年中さんを年長さんが模っていきます。一通り終わったら交代です。 緊張した面持ちで固まっている子どもいますが、人拓をとっていく子どもと互いに楽しそうです。 指と一体になった筆使いもカラフル人拓が出来上がる頃にはすっかり慣れていました。 後日この人拓は子どもたち自身の手によって、布、絵の具、クレヨン、色画用紙、毛糸などの装飾が施され、節分の豆まきのための鬼たちに変身しました。ナーサリィスクールらしい個性豊かな鬼たちに向かっての豆まきが盛大に行われました。 年少クラスはホール中に響く上田先生の選曲による楽しい音楽に合わせて思い思いに音楽を絵にしていきます。音楽が変わるごとに場所を変え筆の色を変えて楽しみました。 指筆を足指につける子ども、ロール紙ではなくて自分の手の平や足の裏に塗ってはロール紙に色を載せていく子どももいました。 楽しいワークショップを終えた後は撮影されたビデオを子どもたちが見ながら振り返ります。さっきまでの自分たちの姿が映し出されると歓声が上がりました。午後はワークショップ部の安斉さん、牧村さんによって保護者にむけて指筆ワークショップの説明があり、その後上田先生による保護者向けのレクチャー、ワークショップも行われ、保育終了後のスタッフ研修まで充実した楽しい一日を終えました。小さな子どもにとっては「自分の指=筆」のような感覚があるので、指を使ってダイレクトに描けるよいツールだと思いました。まず1本で楽しみ、そのあと複数の指や両手に装着して使用するなどするとさらに楽しめます。右手に2本装着して描いていた子どもは普段とは違う感覚に楽しみを見つけていました。親指に装着して描いている子どももいて大人の考える当たり前の使い方とは違う様々な発見をしながら、墨や筆に慣れていくよいツールでした。

 牧村雅美  成城ナーサリィ・スクール 〒1570066世田谷区成城  tel&fax 03-3483-0147
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