Pop corn ゆび筆

Pop Corn「ゆび筆」は全国の文具店/書道用品店・WEBショップにて販売中

開発物語

古都・奈良では昔から墨や筆を作る仕事が盛んでした。その奈良で200年前から墨を作っている会社があり、そこにノブさんという研究者と、タカさんという開発者がいました。二人はいつも新しい書道用具ができないかと考えていました。

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ある日、電車の中で幼い少女が曇った窓ガラスに指で、ひとり言をいいながら絵を描いていました。それを見ていたノブさんとタカさんは二人同時に 「あっ!」と声を上げて顔を見合わせました。タカさんが「指で絵を描いたら楽しいだろうな?」といいました。するとノブさんが「指に筆をつけたら面白い絵 が描けないかな?」といいました。二人は会社に帰ってさっそく指に筆をつけて書いてみました。上手くは書けませんでした。しかし、おもしろい字や絵が描け ました。二人は”ゆび筆”と名づけて開発に取り掛かりましたが、会社での評判はあまり良くなく、開発は中断してしまいました。しばらくしてノブさんは病気 で亡くなってしまいました。

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それから5年の月日が経ったある日、タカさんはデザイナーのマサさんと相談し〝夢中になれる道具を考える会″を作りました。(Boku-Undo Project) その会にはタカさんの会社の若い人や大学の先生、新商品開発のコーディネーターさんも加わりました。そこでタカさんは以前、ノブさんと 考えていた指につける筆の話をしました。すると、大学の先生やバイヤーさん、その他の人たちから「幼い頃、夢中で曇りガラスに指で絵を描いたワクワクした 気持ちがよみがえるよね!」、「障害を持った人にも使ってもらえるような道具を作ろうよ!」などの意見が出ました。また、公園で子供達が指を使って砂場一 杯に絵を描いていた時の話も出ました。みんなは「こんな大きなスケッチブックと、指で描く道具があったら楽しいだろうな」と想像しました。そして「そんな 夢が詰まった楽しくなる道具は作れないだろうか?」とますます話しが盛り上がりました。そんな話をしていたみんなが〝ゆび筆″を作ろうと言い出しました。

そこで、タカさんはこの〝ゆび筆″は障害者や健常者が分けへだてなく、楽しい道具として定着させるには国や地方の協力が必要と考え、経理のケンさんと一 緒にお役所へ相談に行きました。すると、お役所から「奈良の古い知恵や技術を生かし、新しい物を作るならお金を出しても良いよ」と言ってもらいまし た。(地域資源活用新事業展開支援事業の認定を受ける)それから〝ゆび筆″の本格的な開発が始まったのです。

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タカさんとマサさんはまず人間の指の太さを測りました。それから模型を作り指につけましたが、つけるのが難しく、上手く止まりませんでした。タカさんと マサさんは頭を抱え、何度も何度も実験を繰り返しました。そんなある日、それを見ていた技術者のヒロさんから、すばらしいアイデアが出ました。みんなは 「これはすばらしい」といいました。さっそく作って試しました。がしかし、今度は指の血が止まり、指先がむらさき色になってしまいました。また、指も痛く なり、手から汗も出て来ました。またもやタカさんとマサさんは頭を抱えました。

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それから1年、やっと上手くはめられ、指が痛くならず、はずれにくい新しい〝ゆび筆″ができました。筆の太さも変えられ、子供から大人までつけられるよ うに工夫もしました。そしてみんなで(Boku-Undo Project)この〝ゆび筆″が“とうもろこし”に似ているので「ポップコーン」と名づけました。さっそくたくさんの人につけて描いてもらいました。み んなは「楽しいね!おもしろいね!」といいながら描きました。

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そんな中で、手の不自由な子や、話すことが難しい子に、この〝ゆび筆″を使ってもらいました。するとどうでしょう。これまで筆が持てなかった子や、絵を 描いたことのない子が丸や四角、また自分の頭で考えた形や絵を描きだしたのです。これを見ていた先生はびっくりしました。それからその子はずっと〝ゆび筆 ″で絵を描き続け、今では学校の人気者になりました。

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また、お年寄りが多く集まる場所でも描いてもらいました。すると、これまで笑う事を忘れていたお年寄りが、ニコニコしながら〝ゆび筆″で絵を描きはじめ たのです。それからはみんなで楽しい時間を過ごすようになりました。それを見ていた介護福祉士さんも不思議そうに〝ゆび筆″を自分の指につけました。

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〝ゆび筆″は若い書道家の目にも留まりました。書道家は両手の指に2本、3本と〝ゆび筆″をつけて、音楽に合わせて踊りながら字や絵を描き始めたので す。すると周りには若い女性達も集まり「私も書きたい」と言い出し、大きな紙におしゃべりをしながら楽しそうに描きました。

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教育を教えている大学の先生(教育学の教授)が「これはアイデアや発想の手助けになる新しい道具だ!」と言い出しました。さっそく先生の授業で実験をし ました。すると授業がとても楽しく、学生達も生き生きと勉強しました。また、先生は会社で会議をする時に使ってもらう実験もしました。そうすると会議が楽 しく、新しい考えやアイデアがどんどん湧いて出て来たのです。先生はアメリカで実験をすると言って〝ゆび筆″を持って行きました。もちろんアメリカでも大 人気でした。

〝ゆび筆″は生まれたばかりの赤ちゃんです。これから多くの人に使っていただき、指で書くことの楽しさや、考えを上手く伝える道具として、だんだんと大人 に成長して行きます。また〝ゆび筆″は新しい「直感文具」として考え出されました。今後も、指で表現するツールとして、使い方次第で〝ゆび筆″はどんどん 成長して行きます。指で書く、指で表現する楽しさや驚き、そしてワクワク感をぜひ味わってみてください。