研究開発/製造・生産
研究開発
創業210年以上の墨造りの伝統に裏付けされた製墨技術を元に、膠や煤などの素材料研究をはじめ、より使いやすく表現力豊かな製品の開発・改良、そして分散技術や合成糊技術に取り組んでまいりました。また、これまで培った技術を次の創造性豊かな新分野へ生かせようと日々挑戦し続けております。墨運堂では明日の書道文化形成、新産業形成のために更なる進化を続けていきます。
・熟練の製墨職人(練工・型入工・乾燥工)による和墨製造技術の伝統継承
・製墨用膠(ニカワ)の研究・開発・量産
・固形墨・墨液の品質改善と向上
・カーボンブラックの分散技術に基づいた多用途インクの研究・開発・設計
・固形水彩絵の具・水性インクの開発
弊社では様々な関連技術を応用した新分野の相談も受け付けております。コラボレーションで、新しい発見や発明をしてみませんか?
○墨の古墨化
新墨の磨墨液
(細かく分散)
造後20年の磨墨液
(凝集体が見え始める)
造後40年の磨墨液
(全体に大きな凝集体が現れる)
※煤の凝集が進む事により黒さが増します
○新開発の墨
一般的な墨(膠量60)
独自配合の新墨
(膠量60以下)
膠量を減らすことにより黒みが際立ち、膠本来の色味が表現できます。
○煤の種類による墨色の見え方
「松煙障子焚き」
粒子径:20~300nm
粒子の大きさがランダムに混ざる。
粒子罫が大きく大小が混在して乱反射を起こし吸収性の厚みのある黒になる。
※nm:100万分の1㎜
「手焚き油煙」
粒子径:15~50nm
均質で焼き締められた粒子が採れる。
粒子罫が小さく均質に分散して正反射を起こし上光りを伴った上品な黒になる。
○自社膠(製墨用)
※墨造りに最も重要な膠を自社開発することにより、様々な表現が可能になりました。
製造/生産
・伝統的な製造方法の継承
伝統的な製造方法を守り続けることも、墨造り文化を継承するためには大変大事な使命です。
若い職人の養成と技の継承が今、墨運堂に課せられている責任です。特に固形墨は今でも
卓越した職人技で一丁一丁、丁寧に造られています。
・緻密な手作業で技術の伝承
墨造りには機械化できる作業と、未だにできない作業が存在します。人の手を掛けて一丁一丁手作業で丁寧な仕事も大事な技術の伝承です。人の手でしか判らない感覚や、微妙で繊細な仕上は今後も機械にはできない作業として大切に引き継ぎたいと考えます。
・伝統産業も製造の近代化で品質の安定と生産効率の向上に努めています
伝統産業も機械化をすることで品質の安定と生産効率の向上が望めます。特に良質な液体墨は近代化された工場で、厳しい品質管理の下で生産されています。ただ、墨運堂では過度な機械化はせず、小ロット多品種生産が可能な設備でお客様のご要望に迅速かつ的確にお答えする事が望ましいと考えます。
・完全自社生産で作業効率と細かなニーズに対応
墨運堂は古くから完全自社生産を目標にして来ました。特に墨液の容器には「絶対に漏れない」との命題が有ります。そのため、自社で容器の開発を行い、成型機によるボトルとキャップの製造を行っています。お客様の様々なニーズに迅速に対応できる体制で墨液の世界をけん引しています。
・最新のレーザー技術の導入
伝統産業にも最新テクノロジーを積極的に取り入れる社風が有ります。最新のレーザー彫刻機の導入で、「名入れ商品」(墨/筆)や「一品墨」も効率的に生産可能となりました。お客様のニーズに的確に応えるためのテクノロジーで、カスタマイズな対応が可能となります。